2024.4.20

また、ここに戻ってきたい。

はじめての高浜で出会った、素敵な人と町風景。


高浜町で1月に行われた、一次産業ワーケーションに参加された宮崎智子さん(もこさん)。

 

 

初めて訪れた冬の高浜で、宮崎さんが体験したことや感じたことを、ご自身が撮影された写真とともに記事にしていただきました。宮崎さんの目線で見た冬の高浜。素敵な出会いや発見をどうぞご覧ください。

 

 

 

はじめての高浜。まさに冬の日本海

 

1月に初めて高浜町を訪れました。写真で見た、海を見下ろすようにそびえる三角形の青葉山の姿が印象的で、夕暮れに海辺に座って、そこに沈む夕陽を撮れたらいいな、とひそかに期待していました。しかし、季節は1年で寒さの底に相当する時期、かつ、1週間の滞在中、ほぼ連日、あいにくの曇天。

 

 

しかも、到着日はちょうど寒波が到来したタイミングでもあり、雪は降らなかったものの、強風と高波が押し寄せる、まさに真冬の日本海。私の期待通りのお天気ではありませんでしたが、大きな波の音を聞いているだけで、日本海側に来たんだなぁと実感しました。

トンビも煽られるぐらいの強風            

晴れた日も荒々しい波

 

今回、滞在先が鳥居浜海水浴場近くのおき田旅館さん。お部屋の窓から真正面に海が見えるとても贅沢なロケーションで、毎日姿を変える海の様子が楽しめました。結局きれいに晴れたのは1日だけ、と少し残念でしたが、冬ならではの風景と空気感を楽しもう、と気持ちを切り替えました。

▼おきた旅館のお部屋から見える海

 

 

 

サーフィンが日常に溶け込む町

 

高浜町に来て初めて知ったのですが、高浜町はサーフィンの聖地。こんな高波の状態で海に入っても大丈夫なのだろうか?と素人目には見える冬の荒々しい波が、サーファーさん達にとってはまさに待ち望んでいた大好物で、平日にも関わらず、サーフィンをされている方をたくさんお見かけしました。しかもその姿がカッコイイ!

 

 

これまで、サーフィン=南国のリゾート地と勝手なイメージを持っていましたが、高浜町は海に近いところにもたくさんの民家が立ち並び、犬のお散歩で海岸を訪れる方もありながら、その横でサーフィンを楽しまれている方がいらっしゃるなど、違和感なく日常の中にサーフィンが溶け込んでいました。そこも高浜町の魅力のひとつであると感じました。

 

 

 

 

次世代につなぐもの

 

滞在中に若狭和田ビーチでビーチコーミングを体験させていただきました。その日はちょうど数日間強風と高波が続いた後にお天気が回復したタイミングで、真冬とは思えない暖かさ。

 

 

まぶしいぐらいの青空の下、高浜町・若狭和田ビーチを拠点として環境アーティストとして活動されている永野由佳さんにレクチャーいただき、海岸に流れ着いたプラスチック片を集めて、アンブレラマーカーを作るワークショップに参加しました。細かな作業に少々苦戦しましたが、由佳さんのサポートもあって、いわゆる“海ゴミ”から作ったとは思えないほど、素敵すぎるアンブレラマーカーが出来上がりました。(もったいなくて使えないです・・・)

 

 

若狭和田ビーチはとても美しいビーチで、ブルーフラッグ認証(※)を取得し続けているということですが、これも高浜町や高浜町に関わる人たちの継続した努力の結果。最近はいろんな地域から高浜町にサーフィンをしに来られる方々の中にもビーチクリーンを手伝ってくださる方が増えるなど、協力の輪が少しずつ大きくなっているそうです。

 

 

そのようなお話を聞きながら海を見ると、真っ青に澄んだ高浜ブルーの海がキラキラと輝いていて、この環境をずっと守り続けて次世代に繫いでいくのが今を生きる私たちの役目であると実感しました。また暖かくなったら高浜町を再訪し、ビーチコーミングをしてみるつもりです。

 ※「ブルーフラッグ認証」とは

 

 

 

ぶらり漁師町散歩

 

滞在中、何度もランチでお世話になった シーフードマーケットUMIKARA は「魚と旅するマーケット」をコンセプトに作られた、お魚にまつわる様々な要素が目いっぱい詰め込まれた新感覚のマーケット。

 

 

高浜漁港のすぐ近くのロケーションをいかし、高浜で水揚げされる様々な種類の旬のお魚が、超新鮮な状態で店頭に並びます。また鮮魚だけでなく、お土産にするととても喜ばれそうなお魚のお惣菜もたくさんありました。また、UMIKARA内にある「うみから食堂」は、マーケット店頭にある生け簀のお魚を調理してもらってイートインができたり、食べやすくておいしいオリジナルメニューがとても豊富だったり、大満足の食事がいただけます。とにかく毎日行っても全然飽きないぐらい、滞在中は魚食を楽しみました。

▼シイラを使ったフィッシュバーガー

▼日替わり定食の煮穴子丼

 

食以外で興味を魅かれたのが、2021年にグッドデザイン賞を受賞した建造物・施設です。非常にユニークです。対面に位置する塩土地区の漁師さんのお宅&お仕事場が立ち並ぶ街の景観とシンクロさせたデザインであると、実際に設計に携わられた建築家兼漁師の藤本雅弘さんからお聞きしました。

 

 

これまで高浜町の歴史と地域を支えてきた景観へのリスペクトと、この先この町が進化してずっと続いていく期待感とを想起させるUMIKARAの景観。間にある駐車場を挟んでこれら二つの時空を行き来できるような不思議な感覚もあり、個人的にはとてもツボにはまる場所でした。

 

 

藤本さんには塩土地区を案内していただき、建物にまつわる様々なおもしろいお話も聞くことができました。お散歩しながら、ゆっくり町を見て回ると、静かに主張している建物など、実におもしろい発見がたくさんありました。大好きな場所のひとつです。

 

 

これぐらい道幅が狭いんです“と藤本さん。でも心の距離も含めて、ご近所と近い距離で繋がり合って生活を営まれているようにも感じました。

 

 

 

 

海の恵み。

食卓を支える豊富な漁業資源

 

高浜町に滞在中に、漁港での水揚げの様子を見学させていただく機会がありました。訪問させていただいた時は、ちょうどブリが水揚げされており、定置網漁から戻ってきた漁船から、大量のブリが網から何度もザーッと出てくる様子は圧巻でした。

 

 

漁から戻ってこられた漁師さん達が、丸々と太った大量のブリがバタバタしているのを、手際よくさばく様子も、チームとして無駄な動きがなく、まさに職人技でした。

 

 

ベテランの漁師さんが若い漁師さんを見守る目も、最初のうちは厳しそうな目線でしたが、最後の方は安心されたような父親のようなやさしい目線に変化していたのが印象的でした。このような体験を通じ、地元に戻ってから、スーパー等の店頭で見かけるお魚に対しても、リスペクトの気持ちが芽生えました。

 

 

また高浜漁港に併設している高浜漁協も最近新しくなったということで、中を見学させていただきました。魚を取り扱う環境がさらにアップグレードされ、また漁協内のいろんなところに魚がデザインされた遊びの要素もちりばめられ、漁協で勤務されている方々の魚愛を感じました。

 

▼UMIKARAの駐車場にも“魚“

 

 

 

人との出会い。

また戻ってきたいと思える町

 

今回、初めての高浜町訪問で、1週間と長いようで短い期間の滞在でしたが、様々な素敵な出会いがあり、とても充実した時間を過ごすことができました。その中で感じた高浜町の魅力は、風通しのよい町であり、いい感じにほったらかしてくれるという、適度な距離感をもちながらも、人と人とのつながりをとても大切にしている町、と捉えています。

▼無人販売の釣具屋さん 

最終日前夜は高浜町のみなさんと地元食材中心のお料理で打ち上げ

 

また、今回1年中で1番寒い時期の訪問となりましたが、冬にしか出会えない風景、空気感を楽しむことができました。一方で明鏡洞など、今回は時間、天候の関係で行けなかった場所や、もっとお話ししてみたかった方、やりたかったこともまだまだ残っています。

 

何よりも、今回出会えた高浜町はごくごく一部で、また違った季節に再訪し、様々な風景や、また違った高浜町の魅力にも触れてみたい!との気持ちが沸々と湧いてきています。

 

 

これからもっと高浜町の魅力を発見していきたいですし、ご縁やつながりを大切にしながら「ただいま」「おかえり」と言い合える関係になれたらいいなぁ、まずはそうなれることをひとつの目標にしよう、そう思う今日この頃です。

 

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宮﨑智子(もこ)

関西の企業で勤務する傍ら、地域との関わりにも関心があり、自分自身の生き方を見つめ直すひとつの機会にしようと、一般社団法人 日本ウェルビーイング推進協議会の「TUNAGUプロジェクト」に参加したことをきっかけに、初めて高浜町を訪れました。

写真を撮るのが好きで、地域との関わり方を考える中で、いつか写真を通じて地域の魅力を伝えることにもチャレンジしてみたい!と考えていたところ、ご縁があり、今回の機会をいただきました。高浜町滞在中に見た景色・風景、そして、そこで感じた様々な想いを記事に込めました。記事を読んでくださった方のひとりでも構わないので「今度、高浜町に行ってみようかな」と感じてくださると、とても嬉しいです。

 

 

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