2026.3.15
美味しいレンコダイのごはん、できた!海と日本プロジェクトで挑んだ、高浜の海を守る商品開発。
いま海では、環境の悪化などさまざまな課題が起こっています。こうした現状を、子どもたちをはじめ全国の人たちが「自分ごと」として捉え、海を未来へ引き継いでいくことを目指して進められているのが「海と日本プロジェクト」です。

その取組みの一つとして、和田小学校の5年生が、地域で親しまれている魚「レンコダイ」をテーマに、海のことを学びながら地域の魅力を伝える商品開発に挑戦しました。
自分たちにできることを考える。
レンコダイ調査隊の2日間。
御食国(みけつくに)として、朝廷に海産物を献上してきた歴史も持つ高浜町で、レンコダイは、古くから地域の食卓や若狭の名産品の原料として親しまれてきた魚です。

そんなレンコダイについて学ぶために、子どもたちは『レンコダイ調査隊』として、2日間の校外学習を行いました。

1日目、まずは若狭高浜漁業組合で海やレンコダイについての講義からスタートです。そのまま市場でセリ風景の見学を行いました。


子どもたちは隣市へ移動し、レンコダイを使った名産「小鯛のささ漬け」の製造工場を見学しました。
ランチでは小鯛のささ漬けなど若狭の恵みを味わい、その後、福井県立大学かつみキャンパスへ。レンコダイの活用法について講義を受け、最新の水産研究施設も見学しました。

2日目はブルーフラッグ認証を取得している若狭和田ビーチでのSUP体験。最初はボードに乗ることも難しそうでしたが、すぐに慣れて、海の豊かさや楽しさを体感していました。


アクティビティを楽しんだ後は、レンコダイの調理体験です。レンコダイの3枚におろすところから挑戦し、見事「レンコダイの塩こうじレモンバターソース仕立て」を完成させました。


最後は、2日間の総まとめとして、みんなで『高浜の海のために自分たちができること』を考えます。海を守りたいという真剣な気持ちをまとめて、しっかり発表していました。

調査隊の活動から、たくさんのことを学んだ子どもたち。ここから、レンコダイを使用した新しい商品の開発へと取り組みを進めていきます。
『レンコダイ調査隊』の詳細はこちら
子どもたちの自信作!
『若狭の炊き込み れんこ鯛めし』
まず、子どもたちは「どんなものが食べたいか」を考え、夏休み中に自宅で商品案を試作。2学期にいくつかのチームに分かれて、試作案をブラッシュアップしていきました。
▼自宅で作った試作品

それぞれのチームで磨いた試作案は、プレゼン大会で発表されます。ハンバーガー、おにぎり、チャーハン、ふりかけなど、多彩な商品案のプレゼンが行われた結果、開発するのはレンコダイの炊き込みご飯に決定。

味や具材についてはもちろん、商品パッケージや広報・PRまで自分たちで考え、協力し合って商品開発を進めていきます。


レンコダイ調査隊のときから子どもたちのサポートをしている高浜町役場の中村広花さん、担任の先生、そしてプロのデザイナーさんや水産従事者の方など、たくさんの人たちから助言や情報をもらいながら「若狭の炊き込み れんこ鯛めし」を完成させました。



商品名に“れんこ鯛”という文字を使ったことは、カタカナより美味しそうな印象になるという子どもたちのこだわりなのだそうですよ。

▼商品完成後に行われた校内発表会

さあ、あとは高浜町の6次産業化施設UMIKARAで開催される試食・販売会を残すのみ。子どもたちは売り子として、たくさんのお客さまに商品の魅力を伝える役割です。
商品開発の集大成。
美味しさを伝えた試食・販売会。
試食・販売会の当日、会場となるUMIKARAの特設テントには、完成した商品がずらりと並びます。また、子どもたちがつくった試食用のミニおにぎりも、たくさん用意されていました。


「若狭の炊き込み れんこ鯛めし」は、レンコダイのほぐし身とともに、レンコダイの身と塩と水で熟成させた若狭特産の魚醤「鯛ひしお」が使用されていて、鯛の風味がしっかりと感じられます。

さらに子どもたちが考えた具材の昆布やネギ、ゴマなども加わり、あっさりしているのに深みのある味に仕上がりました。この美味しさを知ってほしいと、会場を動きまわって、試食用ミニおにぎりを配る子どもたち。お客さまにも「美味しい」と声をかけられていました。

商品販売のテントからは、大きな「いらっしゃいませ」の声が聞こえてきます。列ができるほどの反響で、子どもたちはバタバタと動きながらも、満足そうな笑顔です。

プレゼン大会で発表されたハンバーガー案をもとに、地元のスーパーサニーマートさんがつくったレンコダイのハンバーガーも販売されていました。
▼レンコダイバーガーも大人気

文字の大きさや太さ、背景の色などに悩みながら高浜らしさを表現したポスター、意見をぶつけ合いながら和田ビーチで撮影・編集したPR動画など、子どもたちの制作物も、お客さまの呼び込みに一役買っています。

しっかりと商品の魅力を語り、笑顔で接客する子どもたちは売り子としても本当に優秀でした。気が付けば私も財布を取りだし、しっかり購入させていただきました(笑)
約1年の活動を終えて。
みんなの成長こそが最大の成果。
レンコダイ調査隊から、約1年近くの時間をかけて、商品開発に挑んできた子どもたち。商品は1時間ほどで見事完売。大満足の試食・販売会となりました。

試食・販売会を終えた子どもたちに、これまでの活動を振り返って、感想を聞いてみました。

「調査隊の前までは、レンコダイを触ったことも、調理したこともなかったし、そもそもレンコダイという魚のことも知らなかった(笑)でも、今ではとても詳しくなれました」

「商品開発は大変だったけど、自分たちのやってきたことがカタチになったのが、すごく嬉しい。次は雑貨の商品づくりがやってみたいです」

「自分たちの商品をたくさんの人が買ってくれたから、商品開発の活動のなかで、今日がいちばん楽しくて、嬉しい日になりました」

子どもたちの活動を支えてきた町役場産業振興課の中村さんも、子どもたちの成長にはとても驚かされたそうです。


中村:
「プロジェクトが始まった頃と比べると、話し方や伝え方がすごく成長しました。また、高浜町をどう守り、どう盛りあげるか…それを大人任せにせず、自分ごととして捉えて行動する姿勢に、とても感心しました」
▼スーパーサニーマートさんも満面の笑顔
中村:
「商品開発に本気で取組み、お客さまに自信を持って魅力を伝えたことが、完売につながったんだと思います。その姿勢は下級生たちにも伝わっていて、自分たちもやってみたいという意欲が湧いているようです。こうやって想いがつながり、広がっていくことが、とても嬉しかったです」

最初は魚に触ることさえ不慣れだった子どもたちが、最後には「自分の商品」に誇りを持って、自信を持って魅力を伝えるーーこの劇的な成長は、なによりの成果だったのではないでしょうか。5年生のみなさん、約1年間おつかれさまでした。
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