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ご夫婦で楽しむ、高浜移住ライフ。出張カメラマン・伊東さんの今まで&これから。


太陽の光が気持ちいい春の午後、城山公園で待ち合わせたのは、カメラマンの伊東大輔さんと奥さまの恵さん。おふたりは東京から高浜へ来られた移住者です。今日は高浜での暮らしや活動について、色々とお話しを聞きたいと思います。

 

 

現在、伊東大輔さんは子どもや家族の写真、思い出の風景などお客さまの要望に合わせた写真を撮る「出張カメラマン」をされていますが、高浜へ来られた2019年当時は「地域おこし協力隊」として活動されていました。

 


実は移住する気はなかった?運命的なマッチング。


まずは高浜への移住のきっかけ、高浜の地域おこし協力隊に応募されたワケを聞かせてもらってもいいですか?

 

伊東:

「実は当時は他府県への移住は考えてなかったんですよ。たまたま立ち寄った移住フェアで、奥さんが富士山が好きだから、静岡の移住情報パンフレットを見ていただけで…。そのときに、たまたま福井県の担当者の方に声をかけていただいて、たまたま高浜町で地域おこし協力隊を募集してて、しかも “フォトライター” を募集してるって。」

 

 

伊東:

「僕、出身は福井県なので、いつか福井で写真に関わる仕事がしたいと思っていたんですよ。ウソみたいに僕の気持ちと『たまたま』が重なって、移住することになったんですよね。」

 

いくつもの偶然が伊東さんと高浜をつなぎ合わせたんですね。奥さまの恵さんも移住には賛成だったんですか?

 

 

伊東:

「僕が本当にやりたいことなら応援するよって言ってくれていました。でも、やっぱり不安はあったと思います。全く知らないところだし、原発がある町だということも気にしていました。それで、一度高浜を見に行ってみようってことになったんですよ。」

 

 

伊東:

そしたら高浜の海の美しさに感動して。彼女のお母さんのふるさとが長崎県の五島列島なんですけど、そこの海によく似ているって言っていました。奥さんも海の近くに住みたいって気持ちがあったみたいで、こんなにキレイな海がある町ならって、移住に前向きになれたようです。」

 


いきなり地域に飛び込んだ「七年祭」。


知らない土地ではじまったフォトライターとしての活動。大変だったことも多かったのではないですか?

 

伊東:

「大変だったことは何かと聞かれたら、ダントツで七年祭ですね。高浜のことがなにもわかってない移住後すぐのタイミングで参加することになりましたから。やってみないか?ってお誘いを受けて、なにも考えずに『あ、はい』って言っちゃったんですよね。そしたら、すごい大祭だったんです(笑)」

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art

 

伊東さんが高浜に移住された年は、7年に1度の祭礼「高浜七年祭」の祭年でした。練習期間を含めると、約半年ものあいだ、町内が祭色に染まる大祭です。

 

伊東:

「僕はお囃子の笛を吹くことになったんですけど、半年間しっかり祭漬けになりました。皆さんからは練習もできる範囲の参加でいいよって言ってもらったんですが、地域おこし協力隊のフォトライターとして取材する役割もあったので、頑張りましたね。」

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art

 

伊東:

「祭とその取材で大変だったのは確かですけど、今から思うと、この七年祭にしっかり向き合ったことで、早く高浜という地域に馴染めたような気がします。」

 

 

この七年祭の取材をスタートに、伊東さんはフォトライターとして、ますます活躍されていきます。町のイベントや成人式などのセレモニー、美しい四季の風景などを町の広報誌「広報たかはま」で掲載。地域おこし協力隊としての任期を終えるころには、個展が開けるほどの写真を撮られていました。

 


地域おこし協力隊、卒業記念の写真展。


地域おこし協力隊の集大成として、伊東さんが3年の任期終了時に開いた写真展は、その名も「3年もの」です。

 

 

高浜の空気、時間、そこで生きる人たち…。高浜で過ごした伊東さんの3年間の全て、そして高浜の美しさが詰まった写真展となりました。

 

写真展で展示された作品は、伊東さんのHPで一部公開されています。ぜひ、こちらでゆっくりとご覧ください。本当に素敵な写真ばかりです。

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art

 

伊東さんの写真は、朝方のものが多い気がします。また、あまり見たことがない珍しい表情の高浜風景をとらえている写真も。なぜなのか伊東さんに尋ねると「それにはちょっとした理由があって…」と教えてくれました。

 


絶好のシャッターチャンスを生んだ新聞配達。


伊東:

「奥さんから、新聞配達の募集があるって聞かされて。早朝はいい写真が絶対撮れるからやってみたら?って。実際やってみると、本当にすごくいい写真が撮れるんですよね。だから僕の写真は朝方が多いんです。実はいまも続けているんですよ。」

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art

 

伊東:

「風景写真って、風があるかどうか、温度が低いか高いか、そんなちょっとした違いで表情がガラッと変わっちゃうんですよね。新聞配達って大雨の日で、雪の日でも、必ず行かなくちゃいけないので、普段なら出会えないような風景にもたくさん出会えたんだと思います。

 


ラジオ、チームでの撮影、多彩な想いとチャレンジ。


新聞配達以外にも、近隣市町と高浜をつなげたいとの想いで、隣町の舞鶴市のFMラジオでパーソナリティとしても活動されています。さらに出張カメラマンとして、新たな挑戦もはじまっているそう。

 

 

伊東:

「僕、写真だけじゃなくて動画の撮影もやっているんです。写真も動画も撮れる出張カメラマンになったらお客さんに喜んでもらえるかなって思って。他にはドローンでの撮影や、子どもの等身大アルバムづくりもはじめました。あとは、ニューボーンフォトもやりたいなって思っていて。生まれたばかりの赤ちゃんを撮影することは簡単なことじゃないし、ちゃんと知識がないとできないから、いま本格的に勉強中なんですよ。」

 

 

チャレンジ精神を武器に、様々なことに挑戦する伊東さん。さらにチームでの撮影にも力を入れているのだとか。

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art

 

伊東:

「高浜在住のいろんな技術やセンスを持った人たちと撮影チームを組んでいます。モデル、ヘアメイクや着物の着付けができる人、写真を撮るときのポーズが教えられる人、写真を撮る僕。撮影場所も、素敵な庭づくりをされている方に貸してもらったりと、みんなの力を合わせたら、撮影の幅が広がりました。」

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art


いつでも、どこでも、自分の世界を広げられる2人。


伊東:

「撮影チームのポージングを指導する人っていうのが、実は僕の奥さんなんです。実は、昔ほんの少しモデルのようなお仕事をしていた時期があったようで、知識があるんですよね。」

 

これだけでも驚きだったのですが、伊東さんの話によると、恵さんは『僕よりも面白い人』なのだとか。

 

 

伊東:

「奥さん、もともとは大型トラックの長距離運転手をしていたんですよ。その後に看護師になって、高浜に来る直前は福祉関係の仕事をしていました。移住してすぐに高浜町会議員の選挙があって、うぐいす嬢もやったりして(笑)選挙カーでいろいろなところをまわるので、僕より早く町に詳しくなって。どこの風景がキレイだとか、全部教えてくれるんですよね。」

 

 

伊東:

「いまはモノづくりにハマっていて、そこから交友関係もどんどん広げていて…たくましいです。」

 

仕事や交友関係がゼロからのスタートとなる移住先でも、自分でコミュニティを広げ、楽しみや仕事を見つける恵さん。伊東さんと恵さんはパートナーとして支え合いながらも、それぞれの世界を大切にしていけるご夫婦なんですね。

 


移住者だからこそ分かる、高浜のいいところ。


最後に、高浜の良いところや悪いところなど、移住者目線で教えてもらっていいですか?

 

伊東:

「人との距離が近いですよね。良い意味で。僕はあったかいなって思いました。移住してすぐに、玄関のドアに野菜が入った袋がかかっていることがあって。誰がくれたものかわからない、お礼もできないって最初こわかったんですが、そういう交流も高浜では当たり前なんですよね。今では、この野菜をくれたのなら、あの人だなってわかるようになりました(笑)」

 

© 2017 Daisuke Ito , Natural Photo Art

 

伊東:

「あと、すごく印象的だったのが子どもたち。挨拶してくれるんですよ。全然知らない子とかでも。それが1人2人じゃなくて、ほとんど、みんな。高浜いいところだな~って思いました。」

 

 

『たまたま』がいくつも重なって、高浜と縁をつないだ伊東さん。今では誰よりも高浜の自然や風景、人に詳しいカメラマンとなっていらっしゃるのではないでしょうか。これからも恵さんという最強のパートナーとともに、伊東さんらしい高浜ライフを過ごしていってください。

 


伊東大輔さんのHPはこちら 

Natural Photo Art DAISUKE ITO

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