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きめ細やかな心づかいと思いやりがいっぱい。これがkurumuの子育て世代サポート。


 

今日は、町の保健福祉センター内の高浜町子育て世代包括支援センター「 kurumu(くるむ)」。kurumuとは、妊娠期から子育て期までの切れ目のない相談・支援を行う拠点です。

 

 

平成30年に「kurumu」がスタートしてから約4年が経ちましたが、いま、kurumuではどんな風に子育て世代のサポートが行われているのでしょうか。先日のママさん座談会の時に出た意見や質問を含め、いろいろお話を聞いてみたいと思います。

 

 

お話を聞かせてくださるのは、保健師の中川さん、障害者支援の活動を行っているNPO法人「おひさま」の保育士で、kurumuに常駐勤務されている島本さんと藤原さん。そして、助産師の村宮さんです。今日はよろしくお願いします。まずは、以前ピン!トでご紹介させてもらった産後ケアデイサービスについて。

 


他にはない、高浜ならではの産後ケアデイサービス。

 

ピン!ト:

「私たちがピン!トが取材させていただいたのはkurumuがはじまってすぐのタイミングでしたよね。約4年が経った現在、旅館での産後ケアにもなにか変化があったのでしょうか。」

 

 

中川さん(保健師):

「産後ケアデイサービスのお母さんたちの利用率が9割くらいになりました。ほぼすべてのお母さんが利用してくれています。参加されるお母さん4名に対して、対応するスタッフは助産師さん、保育士さんなど5名。妊娠報告をいただくときから、産後ケアに参加してくださいね!って声かけもしているんですよ。」

 

 

ピン!ト:

「高浜町の産後ケアの特徴といえば旅館や民宿で行われることだと思いますが、これは珍しいんですか?」

 

 

中川さん(保健師):

「高浜と同じスタイルで産後ケアをやっているところは、このあたりでは珍しいです。産後ケアって場所や部屋に余裕のある病院や助産院が委託されて行われることが多いんです。」

 

 

▼旅館・民宿での産後ケア

 

村宮さん:(助産師)

「私はkurumuがスタートする1年前くらいから、産後ケアのスタッフとして高浜に来たんですけど、以前は病院で勤務をしていたんです。そのときから病院の産後ケアに対して思うところがあって…。イメージ的には“入院”と同じような感じかな。食事は出るけれど、他になにか要望や聞きたいことがあっても、スタッフは他の患者さんの対応などもあって忙しくされているし、気軽にナースコールなんて押せないと思うんですよ。産後ケアの本質ってどこにあるのかって、ずっと疑問でした。」

 

 

村宮さん:(助産師)

「高浜は産後ケアを委託できる病院や助産院もないし、そもそも病院での産後ケアは考えなかったので、どうやっていこうって悩んでいるときに、いまのスタイルの案が出て…。思い切って宿泊施設さんに協力をお願いしたら、快く受けてくださったんですよ。宿泊施設さんの協力がなかったら、今の産後ケアのスタイルは出来なかったので、とても感謝しています。」

 

 

ピン!ト:

「旅館のご飯はもちろん美味しいでしょうし、畳のお部屋でゆっくりできる。お母さんも、赤ちゃんも、リラックスできそう。しかも、助産師さんや専門のスタッフさんすぐ側にいてくれるなんて、すごく安心ですよね。」

 

 


ひとりぼっちはつくらない!kurumuのつながり作り。

 

ピン!ト:

「先日、ママさんたちとお話する機会があったんですが、そこで、知り合い同士のお母さんの輪に入っていけない、子育て支援のサービスやプレイルームもひとりでは利用しにくいという意見があったんですが…。kurumuで、そういうお母さんたちの不安を解消する工夫とかって、なにかされているんですか?」

 

 

中川さん(保健師):

「そういう不安を持っているお母さんには、産後ケアをぜひ利用してもらいたいです。高浜での産後ケアの利用は生後五ヶ月までなので、まだお母さん同士のグループもできていない。そういう時期に、4人のお母さんが一緒に産後ケアを受けるので、自然と知り合いになります。産後ケアは、他のお母さんたちと交流できたのが一番良かったって言われる方もたくさんいらっしゃいますね。」

 

 

村宮さん:(助産師)

「私たちも積極的に産後ケアに来てください!って声かけをしているんですけど、最初は、ひとりで利用しても…って断れる方も多いです。そういうときは『大丈夫!私も産後ケアにいるから!』って言います。妊婦訪問とか新生児訪問とかで話したことがあるスタッフが一緒だと心強いと思って。」

 

 

中川さん(保健師):

「産後ケアの利用期間が終わったら、次はスマイルマルシェ。産後ケアでスタッフやお母さん同士の関係性が築けていると、スマイルマルシェにも参加しやすくなりますよね。スマイルマルシェは、離乳食や育児の不安解消、お母さん同士やスタッフとのおしゃべりなど、リラクゼーションの要素も含んだサービスになっているんですよ。」

 

 

ピン!ト:

「産後ケアもスマイルマルシェも個別のサービスに見えて、実はつながっているんですね。お母さんが孤独を感じることなく、赤ちゃんの月齢、年齢に合わせたサービスを受けられる流れづくり。kurumuスタッフの皆さん、すごいです。」

 

 


子育てを家族でイメージできるように。ギフトにもこだわり満載。

 

中川さん(保健師):

「妊娠中に、おくるみ、肌着、歯ブラシや食器、本をギフトとしてお渡ししているのですが、内容は変わらないですけど、デザインや機能は定期的に変えています。」

 

 

中川さん(保健師):

「おくるみをお雛巻きができるタイプのものに変えたり、2人目育児を見据えて本の内容を変えたり。あと、食器は山や海をイメージできる高浜オリジナルの柄になりました。」

 

 

▼食を大切に考える高浜町だからこそ、赤ちゃんにも本物の器を

 

ピン!ト:

「どれも産後すごく使えそうなものばかりですけれど、どうしてこの内容にしたんですか?なにか、こだわりはあったんですか?」

 

 

村宮さん:(助産師)

「産後の育児の流れをイメージできるもので揃えています。まず、肌着を着て、おくるみを使い、そのあと離乳食がはじまって、歯磨きも…って。このギフトは妊娠中にお祝いとしてお渡ししているのですが、家族で子育てする気持ちの準備を整えてほしくて。おくるみはkurumuの名前にもちなんでますし、産後ケアのときに持ってきてくれたら使い方も教えられます。歯ブラシも『ギフトの歯ブラシ使ってくれていますか?』って声をかけたりしています。高浜って以前は虫歯の子が多かったので、活用してもらえるとうれしいですね。」

 

 

▼ギフトバックも、マリンな雰囲気で素敵(※R4年度のお子さんのデザイン)

 

 


ただの遊び場じゃない、kurumuとしてのプレイルーム。

 

ピン!ト:

「プレイルームはもっと土日も開けてほしいって声を聞きますけど、やっぱり難しいですか?」

 

 

▼木の温もり溢れるプレイルーム(2023年1月現在 右奥工事中)

 

中川さん(保健師):

「皆さんに利用していただくために、休日も開けたいですね。スタッフの体制を整えるなど、やること、考えることはいろいろありますが、前向きに進めていきたいと思っています。」

 

 

島本さん:(保育士)

「プレイルームはたくさんの方に積極的に利用してもらいたいです。全体が見渡せないし、段差があるから、お母さんがお子さんの後をしっかりついていかないとダメな造り。でも、この造りが親子のふれあいを増やしたり、お子さんの発達につながったりするんです。」

 

 

▼ほどよい段差や仕切りが、隠れ家みたいで楽しい

 

▼時には、親子のプライベート空間にも

 

島本さん:(保育士)

「おもちゃも定期的に増やしていますよ。お母さんから音がなるおもちゃがほしいと聞いたことがあって、それも増やしちゃいました(笑) 木のおもちゃって、ご家庭で揃えようと思っても、少しお値段が高いですからね。ここでいっぱい遊んでほしいです。」

 

 

中川さん(保健師):

「おひさまから来てもらっている保育士さんは、プレイルームに常駐していただくほか、スマイルマルシェなどのサービスも一緒にやってもらっています。子どもの発達についてのプロなので、プレイルームでのお子さんの様子を見ていただいたり、お子さんとの遊び方や月齢に合ったおもちゃなどの相談に応じてもらったり、とても心強いです。」

 

 

藤原さん:(保育士)

「kurumuは、各専門の人たちが一か所に集まっていることも強みなんですよね。プレイルームに遊びに来たお母さんから相談を受けても『明日聞いておくから』とか『違うところで相談してみて』とか言わなくてもいい。その場で、すぐ対応できるのはkurumuのすごいところだと思います。」

 

 

 


ママだけじゃない、パパのサポートにも注力。

 

中川さん(保健師):

「去年から新しく父親講座もはじまっています。参加率もいいんですよ。育児休暇をとる方も多くなっていますし、本格的にお父さんが子育てに参加する傾向にありますね。だからこそ、お父さんのケアにも力を入れていかないとダメだなって思っています。」

 

 

ピン!ト:

「そういえば、プレイルームの掲示板でパパのお話し会のお知らせを見ました。パパ専用の掲示板もありましたね。パパからの書き込みが多くてびっくりしました。」

 

 

島本さん:(保育士)

「お父さんの目線でなんでも書いてもらおうと思って設置しています。お父さんからは、よく遊び方の相談を受けたりしていましたけれど、もう少し深く、育児相談ができるような場をつくろうと思って、パパ向けの講座をはじめたんです。パパ向けとは言っていますが、お母さんの参加も、ご夫婦での参加も大歓迎です。」

 

 

中川さん(保健師):

「お父さんにもお母さんたちと同じようなフォローが必要だと感じています。kurumuは子育て世代包括支援センターですから、お父さんもどんどんサービスを利用していただいて、家族みんなで、楽しく子育てができたらいいですよね。」

 

 

ここまで様々に、そして親身に、子育て家族に寄り添うセンターは、かなり貴重なのではないかと思いました。kurumuの想いにより、これからもブラッシュアップされていく支援やサービス。これからもピン!トでは、kurumuの子育て支援の場にお邪魔して、現場のリアルな空気をどんどんお伝えしていきたいと思います。

 

kurumuスタッフの皆さん、本日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました!

 

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