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アート日和の里山散歩

【DAY2】~アトリエに訪問~

 

 

アート日和、第2日目は、のどかな高浜町神野(こうの)地区へ。新しくできた難波江坂トンネルを抜けて、ある作家さんのアトリエへお邪魔してきました。

 

        

観自庵国際アート展でも人気者だったカバくんの作者、松浦つかささんのアトリエです。

(すでに気になるものがいっぱいある…!)

 

 

こちらが造形作家の松浦つかささん。カバくんと一緒に、出迎えてくださいました。

 

 

こちらのカバくんは、観自庵で見たカバくんのご兄弟。

「素材は石膏(せっこう)ですか?」と聞くと、「実は石膏じゃなくて樹脂なんです。型を作るので何体も同じものが作れる。案外軽くて、運びやすいから車の助手席に乗せて運んだりして、通行人に驚かれたりしたよ。」と松浦さん。

 

作家さんと会うということで、少し緊張していた私。しかし松浦さんはとても気さくな方で、ホッと胸を撫で下ろす。

 

カバくんの他の兄弟は、大阪の天王寺動物園にも展示されているそう。そしてやたら気になるもう1人…

 

 

シーソーの上に寝転がるカバくん!

 

カバくんの反対側には四角い入れ物がセットされていて、そこに雨水がたまるとカバくんが持ち上がる仕組み。砂で固められたような質感で、すごく重そうに見えるのですが、これも樹脂だそうです。塗装が違うだけでこんなにも違った表情になるのが面白い。幸せそうにスヤスヤと寝ていて、抱きつきたくなるほど可愛い。

 

 

1階は工房、2階には作品がたくさんあるということで、早速お邪魔します。このアトリエは、友人のアーティスト、櫻木雅春さんから借りている離れだそう。去年の1月から、もう2年弱アトリエにされています。

 

 

入ってすぐの階段スペースは、ギャラリーのよう。そしてここにもカバ発見。こちらは手のりサイズ。

 

 

2階は、なんだかロマン溢れる大人の秘密基地という雰囲気。バーカウンターに座らせていただくと「その椅子もティンゲリーっていう、スイスの有名なアーティストのだよ。」とサラッとすごいことを聞かされる。それにしてもバーカウンターと松浦さん…キマってます。

 

 

後ろの棚から、めざとく色んなものを見つけては「あれ何ですか!」と聞きまくっても、松浦さんは快くなんでも出して説明してくださいました。作家さんとおしゃべりしながら、色んな作品をこんなに間近で見られるなんて… 贅沢な時間だ。

 

一番気になったカバの急須。水切れが悪く、ヨダレが垂れるらしい。笑

 

 

こちらはステンドグラスのランプ。海藻とタツのおとしご、ランプはウニのかたち。海の中のような幻想的な作品。

 

 

ブロンズのカバくん。少しクールな表情。

 

 

ガネーシャならぬカバネーシャ!

 

 

正直この2階の空間だけで一日終わってしまいそうなので次の場所に移動。母屋のほうも見せてもらいます。

 

母屋は家主である櫻木さんの空間。櫻木さんは灯りの作家さんで、自然の素材(ふじつるなど)を使った灯りを制作されています。1階は現在リノベーション中とのことでしたが、すでにかっこいい雰囲気。

 

 

2階には、松浦さんと櫻木さんの作品がたくさん展示されています。いずれはギャラリーとして、オープンしたいとおっしゃっていました。

 

 

松浦さんは仏像を彫るお仕事もされています。手のひらに入るほどの小さな仏さま。穏やかな表情をしていらっしゃる。

 

 

松浦さんと櫻木さんのコラボ展示。

「網目から漏れる光と、影が綺麗なんですよ。夜だと雰囲気変わるよ。」と松浦さん。確かに、夜に見てみたい。ツルはランダムに編まれているような感じがするんだけど、なんでこんな美しい形になるんだろう。

 

 

階段の窓から海がちょうど見える。お家づくりにも細かなこだわりが感じられて感動してしまった。

そして次に母屋の奥の部屋にも案内していただきました。

 

 

…なにこの部屋!す、素敵すぎる!海と緑が目の前に。

この景色を楽しみながら、インタビュー&休憩タイム。まずは、あのカバくんについて聞きました。

 

「カバをつくりはじめたことにも特に深い意味はないんだよね。ただ、カバつくりたい!つくろう!ってはじめて、それがいまも続いてる。他も同じ、これが欲しいなって思ったら、すぐ作ろうってなるんだよね、僕は。素材の性質を知らないとできないから、もちろん色々勉強しないといけないんだけど、面白いよ。」

 

 

「作りたいものがあると、それを表現するためにどんな素材が適しているのか考える。それがガラスの時もあるし、陶器の時もあるし。だから、去年の展示で陶器を出してた人が、次の年はガラスを出していて、同一人物なの?って驚く人も多いみたい。来年は写真を出してるかもね。笑 」

 

 

「京都の綾部市にもアトリエを持ってるんだけど。もう15年くらいになるかな。使われなくなった学校を借りて、アトリエにしていたんだけど閉鎖しちゃってね。すごく気に入っていた場所だったから、本当に残念。でも、いまはこっちのアトリエも気に入ってるよ。」

 

 

綾部にアトリエを持つことになった経緯も、なんともすごいものでした。

スイスで出会った人と、たまたま京都の宇治市で再会。その人が綾部で暮らしているということから、綾部でアトリエを持つことになったんだとか。高浜も同じで、やっぱり人とのつながりがアトリエを持つきっかけになったそうです。

 

高浜はどうですか?という質問には「最高だよ、だんだん好きになってきてる。」と答えてくださいました。今はまだ綾部の方のアトリエを中心に創作されているそうですが、今後は高浜でも、どんどん活動して欲しいです。

 

 

優しくて、気さくで、それでいてこだわりや想いが深い松浦さん。作品にも、そのお人柄が出ているように感じました。どれも、なんだか、あったかくて癒される。

また、お会いしたいなぁ。

 


松浦つかさ 

最近の主な展示:波田須アートフェスティバル、ギャラリーSun・Moon(個展・2011)ギャラリーArtislong、T 展(グループ展・2012、2014)うるはし展、たからの里Exihibition(企画展・2013)ギャラリーSuu・Moon(企画展・2016)、旧来住家四人展(グループ展・2016)御影スペース31、綾部ギャラリーカフェ日々(個展・2017)神戸うろこの家(企画展・2018) 御影ギャラリーspace31(個展・2019)奥上林アトリエ クロージングパーティ(2019) 御影ギャラリーspace31( 企画展・2020) 他

受賞歴:第31 回創造美術協会展・新人賞(1978)、第32 回創造美術協会展・奨励賞(1979)、第32 回奈良県展・県展賞(1981)、第33 回奈良県展・美術振興会賞(1982) 


 

 

▼フォトギャラリー:観自庵国際アート展【五色山公園 匠の美術館】

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